handover

前回のテーマ「Craftsmanship」からつながる「handover」。
素晴らしい“クラフトマンシップ(職人技)”がいっぱいあるのに、
その継承がうまくされていないから
このままでは、途絶えてしまうものが結構あるのではないかという実情。
そこを手と手を取り合って、上手につないでいけたら――
この絵にパッと明るい色がなく、抽象的でどこか歴史の重みを感じるのは、
手を取り合うことが手探りだったり、
手があれば、あと100年以上ずっと続けられる
優秀で美しい匠の技が、途絶えていってしまうのかな…という想い。
こういうテーマだからこそ、なにか新しい挑戦をしてみたかった。
“手”の形を絵のなかにはあえて入れず、
小さいキャンバスに、僕自身の手をかたどり、描いてみた。
大きな「handover」の絵のいろんな部分を、
この手形に沿って切り抜いてみたら、どうなるだろうかって。
デザインに落とし込んでみると、意外と難しくて苦労したけれど、
JANTJE_ONTEMBAARも「ここまできたのかな」っていう感じがした。
生地になる、洋服になる…と考えながらも、
いまは本当に、自分が描きたいものを自由な気持ちでできている。
それは、たくさんの経験を積み重ねてきたから、なのかもしれない。
EXPO

もうすぐはじまる、大阪・関西万博。
エキスポは、いろんな国の人々がアイデアを交換し、
新しい未来のために、いろんな想像が生み出される場。
いろんな人たちの発想が
中央の大きな円のなかに集まってくるという構図です。
この絵を描いている最中、
すごくワクワクした感情を憶えています。
絵を描くとき、想像しながらわりと
先を読みながら、描いていることが多いけれど、
完成したこの絵と対峙したとき、
「この生地の服…ド派手だな!」と思って(笑)。
色味がパキッと強いから、汚しをかけてくすませてみようかなと。
その作業をやり始めてみたら、「めちゃくちゃいい!」と感じて。
J_Oの絵に関しては、“洋服になる”ということを結構考えるんです。
「どうしようかな…」から、「おお、すごくいい!」と
アトリエでひとり声を出しながら、楽しんで描きました。
洋服になるときは、この絵をさらにデジタルで
カラーリングを変えて、ブルーやグリーンだったりと
ガラッと異なるいくつかのカラーパターンでも展開される予定です。