Borderless
この多様性の時代に「ボーダーとはなんだろう?」と考えてみた。
境界線のない多様性を理解する――
急にそんな時代がやってきている感じもして、
番組だったりいろんなところで、話題になることが多い。
みんなで話し合っても、答えや正解はなかなか見つからない。
けれども、世界は確実に変わらなきゃいけないし、変わってきている。
この絵に描いた太く白い線が、まっすぐにスムーズに伸びていないのは、
完璧ではなく、まだ少し途切れもあるボーダーレスな世界のなかに
いま僕らが生きているということを表現したかったから。
その横にある、1本の赤い一筋に繋がっている線は“赤い糸”。
境界線のないボーダーレスな世界になっても、
切っても切れない"縁"
そういうものがあるんじゃないかって。
また、このぐらいシンプルで力強い作品を
JANTJE_ONTEMBAARの服に落とし込んでみたらどうなるんだろう?
というのを僕自身が見てみたかったんです。
いろんなものを削ぎ落として、抽象的になっても、
それでも負けない強さを持った絵を今回は描きたいと思ったんです。
Craftsmanship
アナログからデジタルへ。
それこそ、ボーダーレスじゃないけれど、
いま僕たちは変化のときに生きている。
仕事をしていても、いままで僕がやってきたやり方を説明すると
そのことを理解してくれる方もいれば、
「こうやって飛び越えたら、もっと早くできますよ」と
タイムパフォーマンスを重視する方もいる。
時間をかければいいというものではないけれど、
そこに“味”というものが、あるのかないのか――
その出来上がりに差を生むのが、“クラフトマンシップ(職人技)”。
職人と聞いて思い浮かぶのは、繊細な素材を丁寧につまんでいる手。
だから、絵の中心に2つの職人の手を描きました。
でもその周りに数字があるのは、職人技が紡いできた
歴史という時間だったり、時間との勝負だったり、
時間をかけて生み出す匠の技など。
ある意味、僕が絵を描くことも“職人”に通じています。
時間をかけて絵を描くという工程は見せず、
こうやって出来上がった作品を、みなさんに見ていただくという。
でもJ_Oの作品は、苦しくて止まるっていうことはないんです。
何周も変化し続けながら、すごく楽しんで描いているんです。